「本当に美味しいアイスコーヒーを自宅で飲みたい」
「自分好みのアイスコーヒーを作りたい」
「コーヒーは外で飲むと高いから自宅で飲んで節約したい」
理由は様々ですが、今自宅でアイスコーヒーを作ることが密かなブームとなっていることをご存知でしょうか?
筆者はコンビニや喫茶店などで売っているあの味のアイスコーヒーが時々無性に飲みたくなりますが、ホットコーヒーと違い、あの苦いアイスコーヒーは毎日飲んでいると少し飽きてきます。
そこでたどり着いたのが毎日飲んでも全然飽きない、普段飲んでいるホットコーヒーの味をそのままにしたアイスコーヒーです。
どんな味のアイスコーヒーが好きかは人の好みの問題になりますが、いずれにしても喫茶店で飲むような苦味のきいたアイスコーヒーも、コーヒー豆本来の味を楽しめるアイスコーヒーも自宅で作ることは可能です。
そして自宅でアイスコーヒーを作れば喫茶店で飲むよりはるかに安い値段で飲めますので、その分豆や器具などにお金をかけることもできます。
今回はアイスコーヒーの豆の選び方から入れ方までアイスコーヒーの全てを解説しますので、自宅でいつでも自分好みの最高に美味しいアイスコーヒーを作ることができるようになります。
挽き方 | 細挽き〜中挽き | 豆が細挽きだと濃くて苦味が強い。粗挽きだとバランスよく成分が出る。 |
焙煎 | 深煎り(フレンチロースト) | 豆は深く煎ると苦味が強く酸味が弱くなる。豆の色は濃い色になる。 |
抽出 | ホットコーヒーよりも濃く抽出する | お湯の線を細くし、時間をかけてゆっくり入れると濃く抽出できる |
温度 | 温度を急激に下げる | コーヒーの香りや味をそのまま封じ込める |
またこの記事はいわゆる喫茶店のアイスコーヒーを飲みたい時、コーヒー豆本来の味のアイスコーヒーを飲みたい時、それぞれどのように調整できるかを詳しく解説します。
それぞれの項目についてさらに詳しく知りたい方のために、関連する記事のリンクも紹介していますので参考にしてください。
Contents
- 1 【作り方】美味しいアイスコーヒーの作り方5選
- 2 【豆の種類】アイスコーヒー用のブレンドと普段飲んでいるコーヒー豆
- 3 【焙煎】深煎りローストと中煎りロースト
- 4 【挽き方】器具にあわせて細めか粗めかを調整しよう
- 5 【水】中硬水の弱アルカリ性と軟水の弱アルカリ性
- 6 【おうちカフェ】アイスコーヒーの色々な種類
- 7 【まとめ】アイスコーヒーは作り方によって味が全然違う
【作り方】美味しいアイスコーヒーの作り方5選

コーヒーを入れるときはお湯の線を細くして時間をかけてじっくり抽出することにより、氷を入れて薄まったとしてもそれに負けない濃いコーヒーを抽出できます。
次の見出しでも解説しますが、アイスコーヒーは熱いお湯で入れたコーヒーを急激に冷やすのがポイントですので、できるだけ濃いコーヒーを抽出する必要があります。
単純に粉の量を増やせばそれだけ濃いコーヒーができますが、それだと不経済ですのでコーヒーの入れ方で濃さを調節してください。
ここで裏ワザ
コーヒーを入れる時、最初に抽出されるものが最も美味しく次第にえぐみが出てくるという特徴があります。最後の数滴は捨てるというのは大原則ですが経済的なことを気にしないでとにかく美味しいアイスコーヒーを作りたいなら、粉の量を増やして抽出が始まったら早めに捨てるなら、コーヒー豆の美味しい部分だけを抽出できます。
コーヒーは入れたあと時間が経つごとに香りや風味が逃げてゆき嫌な酸味が目立ってきますので、30分以内に飲む必要があります。
しかし熱いコーヒーをすぐに冷やせば香りや風味をそのまま閉じ込めてくれるだけでなく綺麗な琥珀色のアイスコーヒーができます。
それでコーヒーを抽出した後すぐに氷を入れてマドラーなどでかき混ぜて、できるだけ「急激に」コーヒーが冷えるようにしてください。
溶け残った氷は取り出して捨てて、新しい氷を入れれば喫茶店出てくるような綺麗なアイスコーヒーができます。
アイスコーヒーの味を邪魔しない綺麗で美味しい氷を作るために、氷を作るための水は塩素やカルキを除去できる浄水器を利用しましょう。また冷凍庫の匂いが氷につかないように製氷皿を含め冷凍庫は定期的に洗うようにしてください。
アイスコーヒーはちょっと手間がかかる基本的な作り方もありますが、コーヒーメーカーで作るホットコーヒーよりも簡単にできるものもあります。
- アイスコーヒーとして作る
- 普通のコーヒーを冷やす
- 水出しコーヒーから作る
- インスタントコーヒーから作る
- 氷コーヒーから作る
コーヒーを作るのにどれくらい時間をかけられるかは、人によって異なります。いくら美味しいアイスコーヒーの作り方がわかったとしても、忙しい中毎回時間を取れない人もいますよね。
手軽さはもちろんですがそれぞれ味が全く違いますので、一度全種類作ってみて自分にあったアイスコーヒーの作り方を見つけてみてください。
基本の美味しいアイスコーヒーの作り方
ポイントは、深煎りのコーヒー豆を通常の2倍分の粉の量を入れ急速に冷やすというものです。以下の手順に従ってコーヒーを入れてください。
- 通常のホットコーヒーの2倍分の量を入れる
- 通常のホットコーヒーよりも時間をかけてゆっくり入れる
- 急速に冷やすため、抽出したコーヒー液が直接氷に当たるようにする
- 残った氷は薄くなるのを避けるためドリッパーを使うなどしてすぐに捨てる
- サーバーに氷をたっぷり入れてその上にドリッパーを置く
- 95度のお湯(沸騰させてから1分程度置いた時の温度)を使い、「の」の字を描くように入れる
- 1分ほど蒸らす
- 再び「の」の字を描いてコーヒーを抽出する
- ドリップが終わったら早めに抽出中の豆を捨てる
深煎りのコーヒー豆をお勧めしますが、酸味のあるキリッとしたアイスコーヒーを飲みたいならホットコーヒーで飲む浅煎りの豆を使っても美味しいです。
個人的には深煎りのコーヒー豆はアイスカフェラテにすると美味しいのですが、ブラックの場合浅煎りのコーヒー豆の方が飽きずで毎日飲むことができます。
意外と美味しい!普通のコーヒーを冷やしたアイスコーヒー
あえて書くほどでもないように思えるかもしれませんが、作りすぎたコーヒーを冷蔵庫に入れて冷やせばアイスコーヒーができます。
「アイスコーヒーとして作る」のと比べると香りが抜けて酸味が強くなってしまいますが、それが逆に美味しく感じる方もいらっしゃいます。
ポイントは冷蔵庫に入れる時はできるだけコーヒーを密封状態にすることで、これだけでもアイスコーヒー用の豆で作ったコーヒーとはまた違った酸味のきいた味を楽しめます。
夜にコーヒーを作っておいて冷蔵庫に入れておけば、忙しい朝でも翌朝マイボトルに入れるだけで美味しいアイスコーヒーを持ち歩くことができます。
カフェインカット!水出しコーヒー(コールドブリューコーヒー)

水出しコーヒーとは水から抽出するコーヒーで、「コールドブリューコーヒー」、また「ダッチコーヒー」としても知られています。
水出しコーヒーは簡単に作れるだけではなく、普通のアイスコーヒーとは違ったまろやかでスッキリした味を楽しむことができ、カフェインも少なめのコーヒーです。
水出しコーヒーを作る時は次のようなポイントをおさえておけば、自宅でも美味しく作ることができます。
- 新鮮なコーヒー豆を使う(できれば焙煎後1ヶ月以内の豆を使い飲む前にミルで挽く)
- 細挽き〜中挽きが良い。細かく挽くと酸味が少なく苦味やコクが強い
- 深煎りが基本だが浅煎りが好きな方も
- 水にはとりわけこだわろう。軟水のミネラルウォーターか浄水器を通した水を。
水出しコーヒーの作り方はいろいろありますが、ここでは他では教えてくれない5種類の作り方を紹介します。
- お茶パックにコーヒー粉を入れる
- 水出しコーヒー用の機器を買う
- フレンチプレスで水出しコーヒーを作る
- 市販の水出しコーヒーパックを買う
- ピッチャーに直接コーヒー粉を入れる
(1)お茶パックがあればすぐできる!基本の水出しコーヒーの作り方

通常の急冷式アイスコーヒーは氷を大量に消費しますが、水出しコーヒーは自宅にあるもので簡単に作ることができます。
【用意するもの】
- 新鮮なコーヒー豆:70g(おすすめは深煎り・細挽き)
- 水:1ℓ(浄水器を通したもの、あるいは軟水のミネラルウォーター)
- ピッチャー
- お茶パック
【作り方】
- お茶パックにコーヒー豆を入れる
- ピッチャーにコーヒー豆の入ったパックを入れて水をゆっくり注ぐ
- 新鮮なコーヒー豆は水を入れると浮かぶので、蓋をして水にしっかり浸かるようにする
- 冷蔵庫に入れて48〜72時間寝かせる(新鮮なコーヒー豆ほど抽出に時間がかかります)
- 抽出し終わったらコーヒーパックを取り出して捨てる
新鮮なコーヒー豆は抽出に時間がかかりますが、成分はしっかりと出るのでコーヒー豆は少なくてすみます。
焙煎後1ヶ月以上過ぎたものや、すでにコーヒーミルを使わない場合はコーヒー豆を多めに100g程度抽出時間は短めに8時間程度としてください。
カフェイン量も少なくなるこの作り方については次の記事に詳しく書かれています。
(2)専用ポットで本格!おしゃれなハリオ水出しコーヒー
上記の水出しコーヒー専用ポットを使った本格的な水出しコーヒーです。スプーンを使ってかき混ぜることができるので、早くコーヒーを抽出することができます。
【作り方】
- ストレーナーの部分にコーヒー豆を入れて水を注ぎ、ゆっくり数回かき混ぜる
- 冷蔵庫に入れて24〜48時間寝かせる
- 抽出し終わったらストレーナーを取り出してコーヒー豆を捨てる
このおしゃれなハリオの容器は1,000円程度で買うことができますので、水出しコーヒーが気に入ったらぜひ購入してみてください。
(3)コーヒーの成分そのまま!フレンチプレスで水出しコーヒー
コーヒーオイルや雑味などコーヒーの成分がフィルターに吸収されることがなく、コーヒー豆の個性をしっかりと引き出した豊かな味わいのコーヒーになるフレンチプレスは、実は水出しコーヒーにも使うことができます。
フレンチプレスで入れたコーヒーは、コーヒーの成分をしっかりと残しながらもまろやかな味わいになります。
【作り方】
- 粗挽きに挽いたコーヒー豆10g/120mlの割合でピッカーの中に入れる
- コーヒー豆によくなじむようにゆっくりと水を入れる
- 冷蔵庫に入れて8時間寝かせる
- フィルターについた専用の蓋に交換する
- つまみをゆっくり押し下げて抽出させる
今回紹介した商品のブランドはフレンチプレスの世界的に有名なメーカー「ボトム」。
その中でもこの商品はちょっと珍しいアイスコーヒー用のフレンチプレスで、1.5リットルたっぷりと入れることができますが、もちろんホットコーヒーにも使うこともできます。
(4)手軽に作りたいなら市販の水出しコーヒーパック
パックになっているもので、水出し麦茶のように簡単に作ることができます。
【作り方】
- 上記のような市販の水出しコーヒーパックを入れて水をゆっくり注ぐ
- 冷蔵庫に入れて3〜5時間寝かせる
- 抽出し終わったらコーヒーパックを取り出して捨てる
ただ当然のことですがすでにコーヒー豆が挽いてある状態でパックになっていますので、直前でミルで挽いたような新鮮な状態ではありません。
(5)【裏ワザ】素早くできる香り豊かな水出しコーヒー
この方法は普通の水出しコーヒーよりもコーヒー豆が少なくてすみ、お茶パックも必要なく、短い間で作ることができるちょっとした裏ワザです。
【用意するもの】
- 新鮮なコーヒー豆:60g(おすすめは深煎り・細挽き)
- 水:1ℓ(浄水器を通したもの、あるいは軟水のミネラルウォーター)
- ピッチャー
【作り方】
- 容器にコーヒー豆と水を直接入れる
- スプーンなどを使ってゆっくりと30秒間かき混ぜる
- そのまま常温で10分~1時間かき混ぜないで置いておく
- 最後に軽く混ぜたあとドリッパーでこしてコーヒー豆を取り除く
水出しコーヒーより良い意味でも悪い意味でも「水っぽさ」が残りさらに香りが豊かになります。
ちなみにインドネシアではホットコーヒーも同じようにコーヒー豆とお湯を直接カップに入れて飲みます。下記の記事はそんなインドネシア式のコーヒーの入れ方を紹介しています。
水出しコーヒーの特徴を活かしたアレンジ法
最後にちょっとアレンジした水出しコーヒーを紹介します。
果実香る水出しコーヒー
水出しコーヒーを作る時、オレンジの皮やレモンの皮あるいはレモンやライムを直接入れれば爽やかな香りがするフレーバーコーヒーとなります。
水出しコーヒーは普通の急冷式アイスコーヒーと比べて、味は薄くまろやかなので柑橘系の果物とよく合います。
オレンジを入れる場合白い部分を取り除き、塩水でよく洗うとオレンジの苦味が出にくくなります。
最後に氷をたっぷり入れた水出しコーヒーに、入れた果物の皮を乗せればおしゃれなフレーバー・アイスコーヒーとなります。
冬でも飲める!ホット水出しコーヒー
水出しコーヒーは温めても美味しく飲めます。ただしレンジで温めたり直火で加熱したりすると酸化が進んでしまいますので、できれば湯煎で温めててください。
カフェインの少ない、今まで飲んだことのないまろやかなホットコーヒーの味を楽しめます。
手軽で簡単!インスタントコーヒーで作るアイスコーヒー
インスタントコーヒーは、名前の通り手軽に作るためのコーヒーですが、レギュラーコーヒーと比べて美味しくないという印象を持っている人は少なくありません。
私たちが普段飲んでいるコーヒーは「アラビカ種」ですが、インスタントコーヒーはベトナムでよく使われているような「ロブスタ種」という独特の苦味のある品種を使っている場合がほとんどです。
しかしこれは人の好みの問題で、「アイスコーヒーの場合はインスタントコーヒーの方が美味しい」と感じる方も一定数おられます。
またインスタントコーヒーは、沸騰させたお湯を1分置いて冷ませたくらいの温度(約95度)で、それぞれのメーカーが表示している目分量をぴったり守った分量でコーヒーを作るとそれだけでかなり味が良くなります。
最近はインスタントコーヒーの味も下記の商品のようにかなりレベルが上がっているものが増えています。水で溶けるタイプなのでアイスコーヒー用にもぴったりです。
薄くならない不思議な氷コーヒーから作ったアイスコーヒー
氷コーヒーは、上記の4つの方法で作ったアイスコーヒーを製氷皿に入れて冷凍庫で凍らせたものです。
コーヒー自体が氷になりますので、牛乳やアイスコーヒーを入れると氷を入れたときのように冷えますが、時間がたっても薄まらず、むしろ時間と共に味が濃くなり味の変化を楽しめます。
牛乳を加えれば味の濃い美味しいアイスカフェラテになりますが、コーヒーに氷コーヒーを入れれば薄くならないアイスコーヒーができます。
次の記事は氷コーヒーの作り方のコツや活用方法など詳しく解説しています。
【豆の種類】アイスコーヒー用のブレンドと普段飲んでいるコーヒー豆
アイスコーヒーにすると酸味が際立ちますので通常は酸味を抑えてブレンドしますが、あえて酸味をしっかりと強調した豆を選ぶという方法があります。
- アイスコーヒーブレンド
- エスプレッソ用コーヒー豆
- マンデリン・トラジャなど酸味が弱く苦味が強いコーヒー豆
- 普段飲んでいるコーヒー豆
- ブラジル、コロンビア等バランスのいいコーヒー豆
- キリマンジャロやコナのような酸味の強いコーヒー
アイスコーヒーは豆の量が決め手
アイスコーヒーを作るときに使う豆は、ホットコーヒーの2倍の量を使ってください。
なぜならアイスコーヒーは氷で急激に冷やすことによりコーヒーの味をギュッと閉じ込めることができますが、濃いコーヒーを作ることによって氷が溶けたときに飲み頃の濃さになるからです。
次の記事ではアイスコーヒーの豆の種類や量について詳しく書かれていますので参考にしてください。
【焙煎】深煎りローストと中煎りロースト

冷たい飲み物は酸味を感じやすいので、酸味を抑えた深煎りのコーヒー豆でアイスコーヒーを作れば酸味のバランスがとれたすっきりとした味わいになります。
事実「アイスコーヒー用のコーヒー豆」として販売されているものは、深煎りのフレンチローストがほとんどです。
しかし浅煎りのコーヒー豆で作った酸味のキリッとしたコーヒーもとても美味しいので、あとは好みです。
最近はサードウェーブの影響で浅煎りのコーヒー豆で作るアイスコーヒーも人気が出てきていますので、深煎りコーヒー豆にこだわらずいろいろなコーヒー豆を試してみましょう。
8種類あるコーヒー豆の焙煎度合いの中で、アイスコーヒーは通常酸味が弱くコクや苦味が強い深煎りローストが定番ですが、コーヒー豆本来の味を楽しみたい方は酸味を感じられるように少し浅めのローストがお勧めです。
特にスペシャルティーコーヒーのような高級豆は、深煎りにするとせっかくの味がぼやけてしまいますので注意が必要です。
- フルシティーロースト
- フレンチロースト
- とにかく苦いコーヒーならイタリアンローストもOK
- ハイロースト
- シティーロースト
- 上手に淹れるなら浅煎りもOK
コーヒー豆の保存期間は焙煎してから1ヶ月以内に飲み切ろう
コーヒー豆は生豆の状態だと2〜3年もちますが、焙煎してから徐々に酸化が進み味が落ちてしまいます。
それでコーヒー豆はできるだけ焙煎したてのものを買い、買った後は酸化しないように高温多湿を避けて上手に保存しましょう。
次の記事はコーヒーの酸化を防ぐ方法を解説していますので参考にしてください。
【挽き方】器具にあわせて細めか粗めかを調整しよう

挽き方はアイスコーヒーかホットコーヒーかではなく、器具に合わせて調整するのが基本です。
コーヒーの挽き方は全部で12種類まであるのがほとんどですが、大まかに分けると以下の5種類になります。
挽き方 | お勧めの器具 | 見た目 | 味 |
---|---|---|---|
極細挽き | エスプレッソ | 上白砂糖くらい | 苦味 酸味が少ない |
細挽き | エスプレッソ、水出しコーヒー | グラニュー糖くらい | 苦味とコクが強く酸味が少ない |
中細挽き | ペーパードリップ、コーヒーメーカー、水出しコーヒー | 一般的なコーヒー豆 | バランスのとれた味わい |
中挽き | 水出しコーヒー、ペーパードリップ、コーヒーメーカー、サイフォン、ネルドリップ、カフェフィン(ベトナム式フィルター)、フレンチプレス、金属フィルター | 小さいザラメ糖程度 | 酸味がしっかり出てすっきりとした味わい |
粗挽き | フレンチプレス、パーコレーター、金属フィルター | 大きいザラメ糖程度 | 酸味が強く苦味が少ない |
成分がバランスよく出る中細挽きが基本で間違いがありませんが、温度は低ければ低いほど酸味を感じやすくなりますのでホットコーヒーよりも細かめに挽いたほうがバランスのとれた味わいになります。
またコーヒー豆は細ければ細いほど豆にお湯が触れやすくなるので、苦味やコクがしっかり出るという特徴もあることを覚えておきましょう。
コーヒー豆の挽き方は器具に合わせて調整するのが基本ですが、その中で少し細かく挽くか粗く挽くかを決めてください。例えばペーパードリップやコーヒーメーカーでアイスコーヒーを作る場合次のようになります。
- 中細挽きの細かめ
- 中細挽きの粗め
コーヒー豆は一度挽くと酸化が急速に進みますので、挽き方よりも大切なのは、挽いてからできるだけ早くコーヒーを淹れることです。
下記の記事ではアイスコーヒーの挽き方についてのさらに詳しい情報や、お勧めのコーヒーミルを紹介しています。
【水】中硬水の弱アルカリ性と軟水の弱アルカリ性

日本の水道水やミネラルウォーターのほとんどは普通のコーヒーを飲むのに最適な軟水の弱アルカリ性です。
それでアイスコーヒーにあわせて硬度やPH値を調整している喫茶店はなかなかありませんが、これらはアイスコーヒーの味に大きく影響します。
水の硬度やPH値で変わる酸味やまろやかさは豆の種類や焙煎方法とは全然違う種類になりますので、興味のある方は是非試してみてください。
- 中硬水
- 弱酸性
- 飲む時の温度は4〜6度
- 軟水
- 弱アルカリ性
- 飲む時の温度は4〜6度
美味しい水でアイスコーヒーを作るのは本当に重要
コーヒーの味を左右する決め手となるものの中にコーヒー豆の種類、焙煎、挽き方、器具、入れ方などいろいろありますが、その中で最も重要なものの一つが「水」です。
なぜならコーヒーの成分のうち98〜99%は水分だからです。
そして水の種類がどのようにコーヒーに影響を与えるかを知っておけば同じコーヒー豆を使っているのに全く違う、よりあなたの好みの味になるアイスコーヒーが飲めるようになります。
アイスコーヒーを作る水の硬度は中硬水がお勧め

私たちの舌は冷たいものを飲むと酸味が強く苦味が弱く感じる傾向がありますので、アイスコーヒーならそれぞれを中和させるために酸味を弱く苦味を強くなるようにコーヒーを抽出するのが基本です。
なので、ホットコーヒーなら軟水ですがアイスコーヒーは中硬水がお勧めです。
また酸味の強さが魅力的なコーヒー豆のアイスコーヒーなら酸味が強調さえる軟水でアイスコーヒーを作るなど、好みや使う豆あるいは焙煎方法などによって水の硬度を変えてみるのも面白いところです。
それでは5種類の水がアイスコーヒーを作るときにどのように影響するかを詳しく解説します。
純水(蒸留水)で作るアイスコーヒーの味は雑味が出てしまう
蒸留水やRO水は飲むと美味しいですのでアイスコーヒーを作っても美味しいような気がしますが、実は純水は質感や酸味などコーヒーの良質な味の決め手となる部分が抽出されませんので逆に雑味のある味になってしまいます。
なぜなら純水は不純物を全て取り除いているのが魅力ですが、それと共にミネラル成分をすべて除去していますので、コーヒーの質感や酸味を引き出すためのカルシウムやマグネシウムがないからです。
純水で作ったアイスコーヒーを売りに出しているところもあり、なんだかまろやかな美味しい味に仕上がっていそうな気がするかもしれません。
しかし実際にはコーヒーの良い部分も悪い部分も引き出していないアイスコーヒーになってしまいますので、少しでもいいですので硬度、つまりミネラル成分があったほうがアイスコーヒーは美味しくなります。
軟水で作るアイスコーヒーの味はまろやか
軟水で作るコーヒーはミネラル分が反応しやすく、酸味が強調されながらもマイルドで舌触りの良いアイスコーヒーに仕上がります。
好みによりますが軟水で作るコーヒーは苦味が少し抑えられますので、キーンと苦味の効いたアイスコーヒーが好きな方は少し物足りなさを感じるかもしれません。
一方水のミネラル成分に邪魔されないとにかくまろやかな味を楽しみたい方は軟水でアイスコーヒーを作ってみてください。
なお日本の水道水や売っているミネラルウォーターのほとんどは軟水です。
中硬水で作るアイスコーヒーの味は口当たりがしっかりしている
中硬水で作るコーヒーもミネラル分が反応しやすいのですが、ミネラル分が多いだけに口当たりがしっかりしたアイスコーヒーに仕上がります。
酸味が少し抑えられ苦味が強調されますので、アイスコーヒーに最も適した水の硬度といえるでしょう。
中硬水で淹れるホットコーヒーは少し口当たりが重くて飲みにくく感じますが、アイスコーヒーならそのボディ感が心地よく感じます。
硬水で作るアイスコーヒーの味はかなり重たい
ミネラル分の多い硬水で作るアイスコーヒーは、口当たりが重いアイスコーヒーとなります。
硬水に最も適しているのはエスプレッソですが、硬水からくる苦味のアイスコーヒーが好きという人もいます。
硬水でアイスコーヒーを作るなら、どちらかというとドリップやコーヒーメーカーよりもエスプレッソ抽出したコーヒーをアイスにする方が苦味のきいた美味しいアイスコーヒーになりお勧めです。
非常な硬水で作るアイスコーヒーは飲みにくい
非常な硬水は鉄分などミネラル成分が多く、これがコーヒーのタンニンと結合して舌触りが硬くなって飲みにくくなってしまうのであまりお勧めできません。
超硬水はアイスコーヒーに使うよりも洋風の煮込み料理、またはミネラル補給のためにそのまま飲むのに適しています。
硬度を調整出来るミネラル浄水器TK-CS40

硬水で作ったアイスコーヒーを飲みたくても、毎回硬度が高いミネラルウォーターを買うのはちょっと大変ですよね。
そこでお勧めしたいのが、ミネラル成分を追加して硬度を自由に調整出来るミネラル浄水器です。
ミネラル浄水器の中にはポット型タイプのものもありますが、あまり自由に硬度を調整できないものがほとんどです。
しかしこの「据置型のミネラル調理浄水器」は上記の写真にあるように3段階調整できますので、中軟水やで作るアイスコーヒーや硬水で作るアイスコーヒーなどその違いを楽しめます。
塩素やトリプトファンなどコーヒーの味にも影響する有害物質を取り除く高い浄水機能もついていますので、コーヒーの味そのものが上がります。
とりわけ豆や焙煎方法とはまた違う高い硬度で作った独特の苦味のあるアイスコーヒーを飲みたい方は、ぜひこのミネラル浄水器を試してみてください。
アイスコーヒーを作る水のPH値は弱アルカリ性がお勧め

アイスコーヒーは弱酸性、中性、弱アルカリ性のどれも美味しく飲むことができますが、酸味がまろやかになる弱アルカリ性がお勧めです。
弱アルカリ性の水で作るアイスコーヒーの味はまろやか
弱アルカリ性で作ったアイスコーヒーはコーヒーの酸味を調和させ苦味が加わります。
アイスコーヒーに最適な酸味が少なく苦味が少しきいており、かつまろやかなアイスコーヒーとなります。
中性の水で作るアイスコーヒーは無難な味
PH値7前後の中性の水で作るアイスコーヒーは、良く言うとコーヒー本来の味を、悪く言うと当たり障りの無い無難な味を楽しめます。
まず中性の水でアイスコーヒーを作って飲んでみて、まろやかさや酸味が欲しい、あるいは抑えたいなと感じるらPH値を少し変えてみてください。
弱酸性で作るアイスコーヒーの味ははっきりしている
弱酸性の水で作るアイスコーヒーは、想像通り酸味が強いアイスコーヒーになります。
コーヒー自体が酸味がありますので、弱酸性の水で作ることによってより酸味が強調され味がはっきりします。
PH値を調整出来るアルカリイオン浄水器TK-AJ11
PH値を調整したければ、弱酸性、中性、アルカリ性と自由に調整出来るアルカリイオン製水器がお勧めです。
アルカリイオン製水器にはいくつか種類がありますが、こちらの商品は安心のパナソニック製。スリムで置き場所にも困りません。
また約20%の節水機能があり、カートリッジの寿命が高いのでランニングコストが低い、というメリットも見逃せません。
もちろん浄水機能も高く塩素などの不純物のほとんどを取り除いてくれます。
アイスコーヒーを作る時の水の温度は95度 飲む時の温度は4〜6度
アイスコーヒーは沸騰してから約1分のお湯(90〜95度)でコーヒーを淹れ、そのまま氷で急冷するとキリッとした苦味のあり、かつ透明感のあるクリアなアイスコーヒーが出来ます。
アイスコーヒーを飲む時に一番美味しいと感じるのは4〜6度ですが、時間共に温度は上がっていくので氷をたっぷり入れたグラスでアイスコーヒーを飲めば適温で飲むことができます。
アイスコーヒーはこのような急冷式が基本ですが、その他にも水出し式などいろいろな作り方があります。次の記事ではアイスコーヒーを美味しくするいろいろな作り方を紹介していますので参考にしてください。
水道水でアイスコーヒーを美味しく作るコツ

水の硬度やPH値を変える浄水器を紹介しましたが、気軽に買えるものではありませんのでまず今自宅の水道水で美味しいアイスコーヒーを作りたいと思うかもしれません。
日本の水は軟水ではありますが本来とても美味しくコーヒーを作るのに適していますので、ちょっとした努力や出費を払うだけでコーヒーの味が一段と変わります。
ここでは自宅の水道水でアイスコーヒーを美味しくするための、3つの方法を提案します。
二度焚きしたお湯は使わない
お湯の二度焚きは水の味が悪くなるだけでなく、ヒ素などの化学物質の濃度を上げてしまうので健康的にも良くありません。
電気ケトルを使っている人は使い切らなかったお湯をそのままにしがちですが、コーヒーを淹れるときはそれらは全て捨てて新しい水を使ってください。
塩素を除去する
日本の水道水は本来美味しいのですが、水道法により全ての水には塩素が含まれており、それがまずくさせている要因です。次のようにすれば塩素を除去することができますので試してみてください。
- 蓋を開けたまま5分沸騰させる
- 木炭、竹炭を入れる
- 一晩汲み置きする
このように塩素は意外と簡単に取り除くことができます。ちょっとした手間をかけるだけで美味しいアイスコーヒーになりますのでぜひ塩素を除去したアイスコーヒーを楽しんでください。
安くてもいいので浄水器を通す
塩素を除去するのは意外と簡単なので、実は塩素を除去するだけなら安い浄水器でもそれなりの効果があります。
浄水器といってもピンキリなのでいい浄水器は設置費用も高く、カートリッジも高いので維持費にかなりかかってしまいますが、
例えば次の商品は値段は非常に安いですが、塩素はしっかりと除去し「コーヒーの味が引き立つ」との口コミもある人気の商品です。
「ママ応援」と書いてありますが、ママじゃなくても全ての人がこの79%OFFが適用されますので、まだ自宅に浄水器がついていないという人はぜひお試しください。

【結論】アイスコーヒーを作る時の最高の水とは

アイスコーヒーに適した水をまとめますと、次のようになります。
水の種類 | 適用範囲 | アイスコーヒーにお勧め |
---|---|---|
硬度 | 軟水、中硬水、硬水 | 中硬水 |
PH値 | 弱酸性、中性、アルカリ性 | 弱アルカリ性 |
温度 | 抽出時:90〜95度、飲用時:4〜6度 | お湯で抽出したコーヒーを急冷する |
その他 | 塩素を除去して二度焚きをしない | 浄水器かミネラルウォーターを |
日本の水道水は軟水で弱アルカリ性なのでアイスコーヒーを含むほとんどのコーヒーにお勧めですが、味わいが足りないと感じるなら中硬度で弱酸性の水を試してみるのも良いかもしれません。
水で変わる酸味や苦味などはコーヒー豆や焙煎とは違った味の変化がありますので、それぞれ変化の違いをお楽しみください。
【おうちカフェ】アイスコーヒーの色々な種類

アイスコーヒーは次のような飲み方もあります。それぞれの名称に詳しい作り方がリンクしていますので興味のある方はお読みください。
アイスコーヒーの種類 | 作り方 | 特徴 |
---|---|---|
氷コーヒー | アイスコーヒーを凍らせる | 氷が溶けても薄まらないアイスコーヒーになる |
ダルゴナコーヒー | 泡立てたコーヒーホイップをミルクの上に乗せる | カラメルのようなコーヒーホイップが新感覚 |
ベトナム風コーヒー | 濃いコーヒーに練乳を入れる | 一度飲むとクセになる甘いコーヒー |
スアチュアコーヒー | コーヒーにヨーグルトを入れる | 酸味とコーヒーがよくマッチしている |
さらに「コーヒーメーカーで作るアイスコーヒーの美味しい淹れ方」や「インスタントコーヒーでアイスコーヒーを作る方法」などの記事もありますので参考にしてください。
【まとめ】アイスコーヒーは作り方によって味が全然違う

今回は「喫茶店のようなアイスコーヒー」と「コーヒー豆本来の味のアイスコーヒー」という二つの観点で解説しました。
アイスコーヒーの味に影響する要素 | 喫茶店のようなアイスコーヒー | コーヒー豆本来の味のアイスコーヒー |
---|---|---|
豆の種類 | アイスコーヒーブレンド 酸味が弱く苦味が強いコーヒー豆 | 普段使っているコーヒー豆 酸味が際立ったコーヒー豆 |
焙煎度合い | 深煎りロースト | 中煎りロースト |
挽き方 | コーヒー器具にあわせてそれよりも少し細かめ | コーヒー器具にあわせてそれよりも少し粗め |
水の硬度とPH値 | 中硬水で弱アルカリ性 | 軟水で弱アルカリ性 |
最後に今まで紹介したアイスコーヒーの作り方をまとめてみましょう。
作り方 | 手軽さ | 味 | その他 | お勧めの人 |
---|---|---|---|---|
アイスコーヒーとして作る | △ | ◎香り高くすっきりとしたクリアな味 | 上手に作ると見た目もとても綺麗になる | 本格的なアイスコーヒーを飲みたい方 |
普通のコーヒーを冷やす | ◯ | ◯香りが抜け酸味が強く出る | 酸味がきいて意外と美味しい | マイボトルに入れて気軽に飲みたい方 |
水出しコーヒー | ◎ | ◯すっきりしてまろやかな味 | カフェインが減る | カフェイン少なめのまろやかな味が好きな方 |
インスタントコーヒーから作る | ◎ | △インスタントコーヒーはアイスコーヒーに合うという意見もある | 水で溶けるインスタントがお勧め | インスタントの味が好きな方、気軽に濃いアイスコーヒーを飲みたい方 |
氷コーヒー | ◯ | ◯味の変化が楽しめる | 氷が溶けても薄くならない | アイスコーヒーの氷が溶けて薄くなるのが嫌な方 |
意外なことかもしれませんが、アイスコーヒーはアメリカを含む欧米の多くではそれほどメジャーではありませんでした。
日本でも熱い夏にもコーヒーはホットで飲むという人はよくいますが、寒い冬にアイスコーヒーを飲むという人は少ないですよね。
それが近年アメリカではコールドブリューコーヒー(水出しコーヒー)を中心に、アイスコーヒーの消費が急激に高まっています。
ホットコーヒーにはホットコーヒー、アイスコーヒーにはアイスコーヒーの良さがあり、どちらも追求していけば魅力がたくさんあります。
この記事を読んでアイスコーヒーの新しい魅力に気づき、冬でも飲んでみたいと思えるほどアイスコーヒーを好きになってくれたら嬉しく思います。
ホットコーヒーの美味しい作り方について知りたい方はこちらを参考にしてください。
アイスコーヒーの基本がわかるといろいろなコーヒーの味に挑戦したくなるはずです。定番のアイスコーヒーの味だけでなくどうぞ色々な味を楽しんでみてください。
こんな状況ですので家にいる時間も多くなっているかもしれませんが、こんな機会におうちを美味しいコーヒーが飲める素敵な空間にしてみるのはいかがでしょうか?