1杯1万円するところはさすがにほとんどないですが、1杯5,000〜8,000円するところもあります。いずれにしてもコピルアクは飛び抜けて値段が高いコーヒーです。
「ジャコウネコの排泄物から集めた世界一高価なコーヒー」。これがコピルアク(ジャコウネココーヒー)が1995年にイグノーベル栄養学賞を受賞した理由です。
コピルアクの値段がこれほど高いのには理由があります。その理由を知ってからコピルアクを飲むとあなたもきっと値段に納得できますし、味もまた格別になります。
この記事ではベトナムや日本で本物のコピルアクを格安で飲める方法やコピルアクよりも高いびっくりするほどの値段のコーヒーも紹介していますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
Contents
【徹底調査】コピルアクの値段は一杯いくら?現地で飲むと安い?
コピルアクの値段は国によって違いますが、それぞれのおおよその値段は次のとおりです。
国 | 1杯の値段 |
---|---|
ベトナム | 約330円 |
インドネシア | 約500円 |
フィリピン | 約1,100円 |
日本 | 約6,000円 |
コピルアクをもっと安く飲める場所はたくさんありますが、偽物もたくさん出回っています。
また同じ国の中でもジャコウネココーヒーの産地と都会では値段は全然違いますが、ここでは、「産地で飲める(当然ですが日本を除いて)本物のコピルアクの値段」を紹介します。
ベトナムのジャコウネココーヒー(カフェチョン)の値段
ジャコウネココーヒーの名称 | Cà phê chồn (カフェチョン) |
1杯の値段 | 40,000〜65,000ドン(約200〜330円) |
コーヒー豆100gの値段 | 400,000ドン(約2,000円) |
ベトナムのジャコウネココーヒーの値段は有名なMe Linh Coffee Gardenで1杯約330円、コーヒー豆 100gは400,000ドンで販売されています。近隣ではもっと安い値段で売っているところもありましたが、本物かどうかは確認できませんでした。
そして今回調査した中で、一番安く本物のジャコウネココーヒーが飲めるのはベトナムのダラットであるということがわかりました。
ベトナムではカフェフィンというベトナム式のフィルターを使って飲むのが普通ですが、ジャコウネココーヒーもこのカフェフィンで入れたコーヒーを出されます。
インドネシアのジャコウネココーヒー(コピルアク)の値段
ジャコウネココーヒーの名称 | Kopi Luwak(コピルアク、コピルアック) |
1杯の値段 | 50,000〜60,000ルピア(約400〜500円) |
コーヒー豆100gの値段 | 500,000ルピア(約4,000円) |
ジャコウネココーヒー発祥の地でもあるインドネシアは、ジャコウネココーヒーが飲める場所がたくさんありますが、それ以上に偽物もたくさんあります。
現地の人はなかなか買わないので、外国人向けのコーヒー農園やカフェで本物のジャコウネココーヒーがを飲むことができます。
フィリピンのジャコウネココーヒー(カペアラミド)の値段
ジャコウネココーヒーの名称 | Kape Alamid(カペアラミド) |
1杯の値段 | 300〜500ペソ(約700〜1,150円) |
コーヒー豆100gの値段 | 1,200ペソ(約2,700円) |
フィリピンのジャコウネココーヒーの値段は今回調査した中で最も高く、日本で販売されているフィリピン産のコーヒー豆はコーヒーカップ付きではありますが100g税込14,800円でした。世界一高いコーヒーはフィリピンのジャコウネココーヒーといえるかもしれません。
日本でもフィリピン産のカペアラミドを買えますが、インドネシア産のコピルアクよりも一回り値段が高くなっています。
日本のジャコウネココーヒーの値段
ジャコウネココーヒーの呼び方 | ジャコウネココーヒー、コピルアク(インドネシア語)、シベットコーヒー(英語)、イタチコーヒー(ジャコウネコの間違い) |
1杯の値段 | 1,480〜8,000円 |
コーヒー豆100gの値段 | 8,000〜14,800円 |
やはり輸入に頼っている上に物価の高い日本のジャコウネココーヒーは最も値段が高く、日本のあるホテルで提供されているジャコウネココーヒーは8,000円でした。
販売されているジャコウネコのコーヒー豆もピンキリですが、本物と確信できたジャコウネココーヒー豆は100g8,000円以上します。
何をもって本物のジャコウネココーヒーとするかというのは一律ではなく、悪意なく「本物」ではないジャコウネココーヒーを販売しているところもありますので注意が必要です。
1杯1万円のコーヒーは日本にあった!コピルアクより値段が高いコーヒー
大阪の八尾市にある「ザ・ミュンヒ」というカフェでは、なんとスプーン1杯約1万円のコーヒーを飲むことができます。
このコーヒーの値段が高い理由もやはり製造過程にあります。
「お茶が最も美味しいのは最後の1滴である」と言われていますが、コーヒーが美味しいのは淹れ始めてから最初の数滴。最後の方に抽出するコーヒーには嫌な苦味や雑味が残ってしまいますので、美味しくコーヒーを淹れるためには最後の数滴は捨てるのが基本です。
さてこの1杯1万円のコーヒーは、最高級のコーヒー豆をネルドリップにたっぷりいれて店長がハンドドリップで淹れるのですが、なんと最初の数滴だけを専用の容器に淹れたら残りは全部捨ててしまいます。
この工程を何度も繰り返して最初の数滴だけを集めたコーヒーをマイナス3度の樽の中にいれて、そのまま何十年も寝かせたままにします。
それでワインのように年数によって値段が変わります。
当時私が飲んだスプーン1杯1万円のコーヒーは40年ものでした。注文すると豊臣秀吉が使ったとされる黄金のスプーンで飲ませてくれます。コーヒーの味は発酵しているのでブランデーのようなアルコールを飲んだ気分になりました。強い苦味を感じましたが飲んだ後すっと爽やかさを感じ、余韻がいつまでも続くという感覚です。
「ザ・ミュンヒ」ではこのスプーン1杯1万円のコーヒーだけではなく、もう少し手ごろな値段のコーヒーもありますのでジャコウネココーヒーの値段を超える高級コーヒーに興味がある方は是非一度行ってみて下さい。
店名:ザ・ミュンヒ
住所:大阪府八尾市刑部2-386
営業時間:午前6:00~午前3:00
コピルアクの値段が高いのはなぜ?
コピルアクの値段が高いのは、その生産過程を知ると納得できます。
天然のジャコウネコがコーヒーの木の中から最も良い実を選んで食べる
↓
コーヒーの果実の中にある固い殻に覆われているコーヒー豆は未消化のままフンとして出てくる
↓
1匹あたりたった3〜10gしかないジャコウネコのフンを採集する
↓
ジャコウネコのフンから豆を取り分け洗浄し、固い殻を取り除く
↓
この段階になってようやく通常のコーヒー豆と同様焙煎をする
このようにコピルアクは性質上大量生産が不可能で、生産に手間がかかりますのでどうしても値段が高くなってしまいます。
値段が安いコピルアクはほぼ偽物!だけど…
コピルアクを安くするためには、大量生産する必要があります。この大量生産はジャコウネコを飼育させてコーヒーの実を食べさせることによって可能になりました。
しかしすでに解説した通りジャコウネコは野生の本能と感で、数あるコーヒーの木の実の中かから最も優れた実を選んで食べています。
それで天然のジャコウネコのフンに含まれているコーヒーの実はまさに自然が厳選したコーヒー豆となり、「飼育されたジャコウネコのフンに含まれているコーヒーの実」では絶対に出せない味を感じることができます。
こうした背景を考えると、日本では少なくても1杯1,000円以下で販売しているコピルアクは偽物と考えて間違いないでしょう。
ただし偽物のコピルアクにも種類があり、見方よっては価値があります。何をもって偽物とするか、またその見分け方については「ジャコウネココーヒーは偽物だらけ!本物の特徴と見分け方」をご覧ください。
コピルアクの値段が安いところはないのか
本物のコピルアクを最も安く飲むためには、生産地であるインドネシアのバリやベトナムのダラット(フィリピンは少し高い)に行くと、天然のジャコウネココーヒーを1杯300〜500円程度で飲むことができます。
ただベトナムの場合、ダラットはハノイ、ホーチミン、ダナンなど有名な観光地から少し離れていますが、チュングエンレジェントという全国チェーンで飲むことができます。
チュングエンレジェントでは飼育されたジャコウネコによるジャコウネココーヒーではありますが、1杯150,000ドン(約700円)で飲むことができます。ここのコーヒーは質が非常に高いので、美味しいベトナムコーヒーが飲みたい方におすすめです。
さらにハノイでは、やはり飼育されたジャコウネコから採られたものですが無料でジャコウネココーヒーを試飲する場所があります。
これらベトナムのジャコウネココーヒーについての詳しい情報は「一度は飲んでみたい!幻のベトナムコーヒージャコウネココーヒーとは」をご覧ください。
日本でコピルアクを安く飲む方法
日本で確実に本物のコピルアクを安く飲むためには、通販で豆を取り寄せるのが一番です。
もちろん通販の中にはいわゆる「偽物」もたくさんありますので、本物のコピルアクの豆を買うためには、よく選んで買う必要があります。
ここでいう偽物は「飼育されたジャコウネコから採取したコーヒー豆」も含みます。
例えば次の商品はバリ島Banjar lawak村のBapak Nyoman農園で生息する天然のジャコウネコから採取した豆だけを選んだ、本物のコピルアクです。
100g (およそ9杯分)で税込8,380円(送料無料)で、1杯あたり930円で本物のコピルアクが飲めます。
下手に本物かどうかわからないのに値段だけ高い喫茶店のコピルアクを飲むよりも、こちらのちゃんとしたものを自分で入れて飲む方がお得かもしれません。
もっと安いコピルアクがこちらのBliss time coffeeのコピルアクで、100g (およそ9杯分)で税込4,980円(送料無料)、1杯あたり553円で飲めます。
安さの秘密は農園と直接契約しているからということですが、どこの農園かがはっきり記載されていませんでしたので100%本物かどうかは確認できませんでした。
本物のジャコウネココーヒーの中でおすすめできる種類については、次の記事でランキング形式で紹介していますので参考にしてください。
またジャコウネココーヒーの入れ方については、こちらで動画付きで解説しています。
コピルアクは有名な芸能人にとっても値段は高い
草彅剛さんがコピルアクを楽しんでいます。
20億円の豪邸を建設したと言われる彼でさえ、ジャコウネココーヒー豆の値段の高さにびっくりしながら飲んでいました。
コピルアクを飲んだ時の、草薙さんの絶妙なリアクションをご覧ください。
でもこの記事を読んだあなたなら、100g4,500円はかなり安いと思ったことでしょう。
【まとめ】コピルアクの値段が高いのには理由があった
今回はコピルアクの値段について解説しました。
- 最も安い本物コピルアクはベトナムで300円程度で飲める
- 最も高いコピルアクはフィリピン産
- 日本でコピルアクは一杯8,000円するところもある
- 日本で安く飲むためは通販で本物の豆を購入する
本物のコピルアクの値段は、日本では1杯2,000円弱〜8,000円しますが、コピルアクの値段がこれほど高額なのは、希少性と手間がかかることが関係しています。
安いコピルアクは偽物の可能性がありますが、通販で買ったジャコウネココーヒーの豆を自宅で淹れて飲めば1杯930円程度で飲むことができます。
たった900円程度でどんな焙煎士でもできないコーヒーの味を作り出すことができるわけですから、コーヒー好きの方はぜひ一度本物の天然のジャコウネココーヒーを飲んでみてください。
コピルアクって1杯1万円くらいするって聞いたけどほんと?どうしてそんなに高いの?