「コピルアク(コピルアック、ジャコウネココーヒー)って世界一高いっていうけど、どんな味をしているんだろう?」
「ジャコウネコのフンから採取したコーヒーってまさかあの味はしないよね…」
「ジャコウネコのフンから採取したコーヒー」これを聞くとまず味が想像つかないですよね。そして「衛生面で本当に大丈夫なのか」というところも気になるところです。
まずコピルアクの衛生面から説明しますと、全く問題はありませんし、もちろんフンの味も全くしません。
なぜならコーヒーの実は非常に硬い殻に覆われていますので、ジャコウネコのフンと一緒に排出されたコーヒー豆は物理的にフンと全く接触していないからです。
フンから取り出したコーヒーの実は洗浄して、完全に覆われた固い殻から中の私たちが飲むコーヒー豆を取り出し、高温で焙煎しますのでジャコウネココーヒー豆には大腸菌のような有害な菌も全くついていません。
そしてジャコウネコが食べたコーヒーの実は「ジャコウネココーヒーの消化器官」というユニークな環境の中で、独特の味を引き出すことになります。
今回は希少でなかなか手を出すことができないジャコウネココーヒーの味と、その隠された味の秘密について迫ります。
Contents
バニラのような味?コピルアクの味わいと特徴
コピルアクの味わいはなかなか形容し難いのですが、次のような特徴があります。
- バニラのような味
- あっさりしている
- 独特なフルーティーな香り
- 独特な風味
- コーヒーの香りは少ない
- 酸味は少ない
ジャコウネコの肛門の近くには「シベトン」と呼ばれ、香水にも使われている芳香成分があり、これがコピルアクの「フルーティーな香り」の元となっています。
またジャコウネコが食べたコーヒーチェリーはジャコウネコの腸の中で発酵して、「独特な風味」をもたらします。
そして繰り返しになりますがフンの臭いや味は全くありません。あとは実際に飲んでみないと正確な味は表現できません。
ただ普通のコーヒーと味が別次元に違うというわけではなく、コーヒーとして美味しく飲むことができます。
コーヒーに興味がない人にとっては、ジャコウネココーヒーと普通のコーヒーの味の違いはわからないかもしれません。
しかしコーヒー好きにはわかるこの独特の味は、言葉で表現するよりもその要因となっている背景を説明する方がわかりやすいかもしれません。
コピルアクの味につながる要因
ジャコウネココーヒーの味には2つの事柄が要因となっています。
- ジャコウネコの消化酵素
- ジャコウネコが厳選していること
- ジャコウネコが何を食べたか
ジャコウネココーヒーは偽物がたくさん出回っていますが、これらの要素を理解すると何が偽物かを自ずと判断できるようになります。
ジャコウネコの消化酵素による味と香り
ジャコウネコはコーヒーの果実を食べ、種子に当たるコーヒー豆(およびその周りについている殻)は丸呑みして消化されないまま腸へと運ばれます。
腸内でジャコウネコの消化酵素や腸内細菌に浸かったコーヒー豆は、たんぱく質やカフェインが溶け出して発酵します。
この消化過程によりコピルアクのあの独特の香りや、形容し難い味へとつながります。
天才コーヒー職人ジャコウネコがブレンドした豆
天然のジャコウネコはコーヒー農園に生息する数あるコーヒーの木から、最も美味しいコーヒーの完熟した実だけを選んで食べますので厳選された味になっています。
つまりコピルアクの味に関係しているもう一つの要素には、ジャコウネコの野生の勘が関係しています。
それはちょうど優れたコーヒー職人が、素人にはわからない職人としての勘や経験により複数のコーヒー豆から最も美味しいコーヒーの豆を厳選してブレンドするように、ジャコウネコは人間にはない野生の勘と本能で最も優れたコーヒーチェリーを厳選して食べます。
それで同じ場所で生産されたコピルアクでも日によって味が違うというのも、コピルアクの魅力の一つです。
そう、あなたがこれから飲むコピルアクはその時にしか飲めない味なんです。
このようにジャコウネコが食べたわずかなコーヒー豆を使うので、コピルアクは大量生産はできずどうしても値段が高くなってしまいます。
ジャコウネコがどんな種類のコーヒーチェリーを食べたかで味が変わる
「ジャコウネココーヒー」は、ジャコウネコの排泄物から取り出したコーヒー豆全てのことですので、ジャコウネコが何を食べたかで味が変わります。
インドネシア産、フィリピン産、ベトナム産で味がわかるのはもちろんですが、同じベトナムのダラットでもその日にどんなコーヒーの実を食べたかで味が変わります。
例えば本物のコピルアクを出してくれる数少ないベトナムのコーヒーショップ「メーリンコーヒー」は、3種類のコピルアクがありそれぞれ味があります。
コピルアクは「ジャコウネココーヒー」のインドネシア語なのでベトナムではあまり通じません。ベトナム語は「カフェチョン」ですが、英語で「シベットコーヒー」と言っても大抵通じます。
Chồn Arabica(チョンアラビカ)
軽い味わいで最初は少し酸味を感じる
Chồn Cherry(チョンチェリー)
軽い味わい、ジャックフルーツを中心としたフルーティー香りの後甘みを感じる
Chồn Moka(チョンモカ)
力強い味わいでビターだが甘い後味
飼育されたコピルアクの味は天然のものと少し違う
飼育されたジャコウネコによるコピルアクは天然のものと基本的に味は似ていますが、野生の勘による厳選された味ではありません。
ジャコウネコの人気に目をつけた業者は、ジャコウネコを乱獲して狭い檻の中に閉じ込め本来肉食であるジャコウネコに無理やりコーヒーの実を食べさせてコピルアクの豆を大量生産しています。
この飼育されたジャコウネコによるコピルアクを偽装して、「天然のコピルアク」として販売しているものもあるので注意が必要です。
ただほとんどはあからさまな偽装はせず「飼育されたジャコウネココーヒー」とはっきりと表示してあり値段は天然のものと比べて半値以下で販売しています。(ただ現地語や英語で表記されていて気づかずに買う人も多くいるようです)
飼育されたジャコウネコによるコピルアクは、天然のものと比べて基本的に味は劣るものの会社によっては他の豆と上手にブレンドして提供しているものもありますので、それはそれで価値があるといえるでしょう。
なおこの記事はコピルアクの味を解説するのが目的ですので、ジャコウネコを飼育して無理矢理コーヒーチェリーを食べさせることが動物虐待に値するかどうかについては論じません。
ジャコウネココーヒーの偽物の特徴や本物のジャコウネココーヒーの見分け方については、「ジャコウネココーヒーは偽物だらけ!本物の特徴と見分け方」をお読みください。
格安のコピルアクは偽物の味
ベトナムやインドネシアなどに行くと、普通のコーヒー豆と同程度の値段で販売されているコピルアクの豆があります。
この場合ジャコウネココーヒーの香りがする液体を付けているだけの完全な偽物ですので、味も普通のコーヒーです。
ただしこちらも「コピルアクのフレーバー」とはっきり表示している会社がほとんどで、高いお金は出したくないけど珍しいコーヒーを飲んでみたいという人には価値があるともいえるかもしれません。
ベトナム、インドネシア、フィリピン、日本ではコピルアクの味が違う
コピルアクとは、ジャコウネコのフンから採取したコーヒーのこと指しますので、インドネシアで淹れたコーヒーとベトナムで淹れたコーヒーでは味が違います。
ベトナムは専用のフィルター「カフェフィン」でエスプレッソのように濃く抽出したものに、好みでコンデンスミルクを入れて飲みます。
インドネシアはカップにコーヒーの粉とお湯を注いでかき混ぜた後、コーヒーの粉が沈んだら上澄みだけを飲みます。
日本やフィリピンでは多くの人はコーヒーメーカーやハンドドリップなど、ドリップコーヒーを飲んでいます。
コピルアクはどの飲み方でも美味しく飲むことができますので、現地の飲み方で試してみるのも面白いかもしれません。
「【動画】あなたもできる!ジャコウネココーヒーの入れ方・飲み方3選」ではそれぞれのジャコウネココーヒーの入れ方が動画と共に解説されています。
【まとめ】コピルアクの味は飲んでみないとわからない
コピルアクは独特の香りとあっさりしているのが特徴で、これはジャコウネコの消化酵素が関係しています。
天然のジャコウネコは最も良いコーヒーの実を厳選して選んでいますので、人間では決して見つけることができないコーヒー豆をブレンドしてくれます。
最終的にはコピルアクの味は飲んでみないとわかりませんので、この記事を読んで興味が出たならぜひ通販で買ってみてください。
こちらは天然のジャコウネコが選んだ本物のコピルアクです。
本物のジャコウネココーヒーの中でおすすめできる種類については次の記事を参考にしてください