「フォーって美味しい…ベトナム料理って私に合っているかも!」
最近では日本でもベトナム料理店が増えてきましたが、ベトナム料理を食べてこのように感じている人は年々増えています。
特に熱々の麺にライムをたっぷり絞って食べるベトナム料理の代名詞ともいえるフォーは、一度食べたら虜になってしまいます。これでフォーは低カロリーなので言うことはありません。
しかし昔ながらの製法で作っている本物のフォーを出しているところは、ベトナムでさえ少なくなっています。
筆者はハノイ大学のベトナム語学科を専攻している教授から、フォーの歴史や美味しいフォーの見分け方を教わりました。
ここではフォーの本場ハノイにいくつかある有名な本物のフォー屋さんから、さらに厳選した3つの店をランキング形式で紹介します。
この記事を読めばあなたも本物のフォーを見分け、ベトナム人も日本人も認める有名な店でフォーを食べれます。ぜひ最後までお読みください。
Contents
フォーの本場!ハノイで有名で本当においしい店ランキング
数あるハノイのフォーの名店の中で、多くの人からも評価が高く、筆者も実際に最も美味しいと思えたフォーをランキング形式で紹介します。
それではハノイの本当に美味しいフォーの店を、第3位から発表します!
第4位:Lâm Phở Bò(ラムフォーボー)
店主のラムさんの名前からとったLâm Phở Bòは、レシピが門外不出でここでしかあえない味となっています。
スープが無くなり次第終了なので、朝10時には売り切れで食べられなくなってしまうほど人気です。
筆者もベトナム人の友人に紹介さえて何度も売り切れ状態で、3度目に挑戦してようやく食べることができました。
シンプルながらしっかりとした味わいですが、どこか優しい風味でした。朝フォーをしたい人はぜひ挑戦してみてください。
店名:Lâm Phở Bò(ラムフォーボー)
値段:フォー1杯40,000ドン(約200円)〜
TEL:+84 9 8868 1510
営業時間:6:00〜スープが無くなり次第終了
住所:48 P. Hàng Vải, Hàng Bồ, Hoàn Kiếm, Hà Nội,
第3位:Phở 10 Lý Quốc Sư(フォーテン リーコックスー)
ハノイ大教会(セント・ジョセフ教会)の近くにあるPhở 10 Lý Quốc Sưは、正統派でスタンダートな味のフォーです。所在地はそのまま10 Lý Quốc Sư。ベトナムはこのように店名を住所そのままにしている場合が多くあります。
他のブログではフォー10(フォーテン)と紹介されている場合が多いですが、ベトナムの店名の傾向を考えるとPhở 10 Lý Quốc Sư(フォーテン リーコックスー)が正しい名称といえるでしょう。
このフォー屋は、立地条件が良いこともあり常に長蛇の列。熱々のフォーに柔らかい牛肉、ネギ、香草が食欲をそそります。スープはあっさりとしていていますが、出汁がしっかりと効いていて旨味があります。
とても美味しいフォーなのですが、次に紹介する2つのフォー屋と比べると少しだけインパクトに欠けるので、ここでは第3位としました。
店名:Phở 10 Lý Quốc Sư(フォーテン リーコックスー)
値段:フォー1杯65,000ドン(約320円)〜
TEL:+84 4 3825 7338
営業時間:6:00〜14:00,17:30~22:00
住所
本店:10 Lý Quốc Sư, Hàng Trống, Hoàn Kiếm, Hà Nội
2号店:N2A Hoàng Minh Giám, Nhân Chính, Thanh Xuân, Hà Nội
3号店:26 lô 06 Phố Tố Hữu, Vạn Phúc, Hà Đông, Hà Nội
ここに載っている3店舗は本店公認の店ではありますが、やはり1番美味しいのは本店です。
偽Phở 10 Lý Quốc Sư(フォーテン リーコックスー)に注意!
さてここのフォー屋はベトナム人の間でもかなり人気があるようで、ハノイ各地には同じようなオレンジ色の看板をした「Phở Lý Quốc Sư」がたくさんあります。
下記のようなオレンジ色の看板に騙されないようにしてください。
2位:Phở Thìn(フォー ティン)
1日に2,500人が食べに来るという絶大な人気を誇る、ハノイのフォーの老舗Phở Thìn。今まで味の素で作った偽物のフォーしか食べていない人は、そのスープの味に衝撃を受けるでしょう。
しっかりと出汁をとった牛骨のスープにシャキシャキのネギがたっぷりと入っていて、いくら食べても飽きません。他のフォー屋さんとちょっと違う牛骨の味を楽しめます。豚骨ラーメン好きである日本人好みのフォーともいえるでしょう。
値段は1杯60,000ドン(約300円)と少し高めですが、それもそのはずここのフォーは牛肉がこれでもかというほど入っています。
それでもネギもたっぷり入っているので飽きることなく最後まで食べられます。
ちなみにPhở Thìnは2号店がハノイのHoàng Ngọc Pháchにあります。また東京池袋にも、このPhở Thìnの味に惚れ込んで修行を受けて、日本に持ち帰った店「Pho Thin TOKYO」があります。
店名:Phở Thìn(フォー ティン)
値段:フォー1杯60,000ドン(約300円)〜
TEL:+84 4 3821 2709
開店時間:6:00〜14:00,17:30~22:00
住所
本店:13 Lò Đúc, Ngô Thì Nhậm, Hai Bà Trưng, Hà Nội
2号店:19B Hoàng Ngọc Phách, Láng Hạ, Đống Đa, Hà Nội
PHO THIN TOKYO:東京都豊島区東池袋1-12-14ハヤカワビル B1F
【穴場】ハノイの南側にもPhở Thìnができました
偽物が多いなか、こちらは筆者が実際に食べてPhở Thìnの味と変わらないフォーを提供してくれました。
ちゃんとした住所がない場所なので、下記のGoogle マップから確認してください。
1位:Phở Gia Truyền (フォー ザーチュエン)
今回ハノイで…いえベトナムでナンバー1のフォー屋さんに選ばれたのは、Phở Gia Truyềnです。
第2位に選ばれたPhở Thìnが「今までに食べたことのないフォーの味」なら、ここのPhở Gia Truyềnは「今まで食べたフォーの中で最高の味」と形容することができるでしょう。
実際筆者もベトナム料理が飽きてきて、「フォーなんて見たくもない」と思いながらも嫌々食べることになったのがこのPhở Gia Truyềnでした。
そんな状態でしたが一度フォーを食べ始めるともう会話をすることさえなく箸がすすんでいき、結局スープまで全部飲んでしまったのを覚えています。そこからハノイの美味しいフォーを探し始めるようになりました。
この「スープまで全部飲める」というのは本物のフォーの特徴で、後味が爽やかで「本当に美味しいフォーを食べた」という気分になります。ほとんどのフォーは化学調味料で味付けされているので、一見美味しいように思えたものでも後で少しむかっと気持ち悪くなります。
おすすめなのは半生肉のTÁIに生卵(TRỨNG GÀ)のトッピングです。フォーの味がまろやかになってさらに美味しくなります。またメニューにはありませんが揚げパン(QUẲY)も注文すれば出してくれます。
店名:Phở Gia Truyền(フォーザーチュエン)
※ベトナム人には「フォーバッザン」の方が通じやすい
値段:フォー1杯60,000ドン(約300円)〜(値段が10,000ドン上がってしまいました)
TEL:+84 4 6683 3535
開店時間:6:00〜10:00,18:00~22:30
住所:49 Bát Đàn, Cửa Đông, Hoàn Kiếm, Hà Nội
【番外編】フォーバーガー
ベトナムのマクドナルドでは期間限定でフォー味バーガーが販売されています。
価格は単品で69,000ドン(約350円)と、今回紹介したフォーの中で一番高いフォー(味のバーガー)になってしまいました。
正直食べる気はしなかったのですが、実際食べた人によりますと本当にフォーの味がするようです。
だからといってなにもハンバーガーの状態で食べなくてもいい気がしますが、企業努力には感銘を受けます。興味のある方はどうぞ。
誰も教えてくれない!ベトナム・フォーの食べ方と本物のフォー屋を見分ける法方法+裏ワザ
フォーの美味しい食べ方やトッピング、また本物のフォーを見分けるコツを紹介します。
フォーは基本的に3種類!衛生状態が心配な人はChínhを
メニューはフォー屋によって違いますが基本的ものは次の3つです。それぞれ肉の部位も違いますが簡単にまとめると次のようになります。
名称 | 説明 |
---|---|
Tái(タイ) | 半生肉 |
Chính(チン) | 茹でた肉 |
Tái Nạm(タイナム) | 半生肉と茹でた肉のミックス |
好みにもよりますが、フォーを一番美味しく食べるのは半生肉のTáiですが、衛生状態が気になる方は肉をしっかり煮込んだChínhにしておきましょう。
追加で頼みたいQuẩy(揚げパン)
Quẩy(クアイ)は揚げパンといっても日本人が想像する揚げパンとは違い、軽い棒状のパンです。これをフォーに浸して食べるととても美味しいんです。
フォーをやっている店なら大抵どこでもありますが、フォーが美味しくない店は油も悪いのかquẩyを食べると気持ちが悪くなることがあります。
でも本当に美味しいフォーの店は 、quẩyの味も全然違います。quẩyはメニューに載っていないことがほとんどですので、自分で注文してみてくださいね。
ネギ、香草の大盛りは可!麺大盛りは不可?
男性ならフォー1杯では足りないところですが、基本的に麺の大盛りはしてくれないことが多いので、お腹が空いているならフォーを2杯頼むか、先ほど紹介したquẩy(揚げパン)を注文しましょう。
逆に日本人にはあまり知られていませんが、フォーを出している店は大抵どこもネギや香草を無料で大盛りにしてくれますので、フォーを注文するときに一緒にお願いしておきましょう。
フォーを自分好みに味付け!酢ニンニク、特製チリソース、ライム etc…
フォーの店では次のようなものが置いてありますので、自分好みに味付けをすることができるようになっています。
唐辛子 | 刻まれたベトナム産唐辛子です。 |
胡椒 | ベトナム産胡椒。日本の胡椒とそれほど変わりありません。 |
ライム | レモンより香るのでフォーの味が引き立ちます。 |
特製チリソース | その店独自で作っているチリソースです。かなり辛いので最初は少しだけにしてください。 |
酢ニンニク | 酢の中にニンニクが入っています。スープに入れると味が変わります。大抵の店で置いてあります。 |
酢漬け竹の子 | 酢の中に入っている竹の子をフォーに入れて食べます。たまに置いてあります。 |
ナンプラー(ヌクマム) | 味を少し濃くするためのものです。本物フォー屋には大抵置いてありません。 |
味の素 | いうまでもなく本物のフォー屋には置いてありません。 |
本物のフォー屋にあるフォーはスープの味を変えたくないので、味を足すなら唐辛子と胡椒、そしてライムだけで十分です。これらはフォーの本来の味を邪魔しないで整えてくれます。
特製チリソース、酢ニンニク、酢竹の子はかなり美味しいのですが味が変わってしまいますので、どうしても食べたいならフォーを半分くらい食べて本来の味を楽しんでからにしておくことをお勧めします。
これだけは覚えておきたい!フォーを食べるときに使う基本ベトナム語
今回紹介した揚げパンやネギ大盛りなど、フォーを食べるときに使う簡単なベトナム語です。
ベトナム語は声調があるのでカタカナ発音しても伝わらないことがありますので、その場合このページを直接見せて指さしで使ってみてください。
ベトナム語 | 日本語 |
---|---|
Cho trướng(チョーチュゥン) | (トッピングで)卵ください |
Cho quẩy(チョークアイー) | (トッピングで)揚げパンください |
Nhiều hành(ニュゥハイン) | ネギ大盛りで |
Nhiều rau thơm(ニュゥザウトーム) | 香草大盛りで |
Đừng cho rau thơm(ドゥンチョーザウトーム) | 香草抜いて下さい |
Em ơi (エムオーイ) | (定員を呼びかける) |
Ngon(ンゴーン) | 美味しい |
Tính tiền(ティンティエン) | お会計お願いします |
1杯40,000ドン(約200円)以下はほとんど偽物!
ベトナムに何度も行っている人はこれを聞くとびっくりされる方もいらっしゃいます。なぜなら、フォー1杯の相場は大体30,000ドン(約150円)程度だからです。
しかし本当のフォーの作り方は、牛骨を何時間も煮込んでスープを作り牛肉をたくさん入れてしっかり出汁をとります。その手間や材料費を考えると物価が上昇しているベトナムで1杯30,000ドンでは利益が取れるはずがありません。
それでベトナムにあるフォーの店のほとんどがスープの出汁を取らないで代わりに味の素で味を整えています。
筆者も一度ある店のフォーを食べたら味が全然しなかったことがありました。店員に「味がしない」と伝えると、無愛想に味の素を出されました…
味の素を使っているフォー屋さんでもそこそこ美味しいところはありますが、何れにしても40,000ドン以下のフォー屋さんのほとんどは”味の素のフォー”であることを覚悟しておきましょう。
フォーの歴史から見る本物のフォー
フォーはベトナム北部ナムディン省という貧しい村で西暦1900年ごろ食べるようになったといわれています。
時代はフランス植民地真っ只中。ナムディン省はフランスの影響で教会が数多く建設され、今でもベトナムの中でもキリスト教徒がとても多い村の一つとなっている街です。
そんな植民地化したベトナムでフランス人は牛肉を食べ始めました。そこで今まで牛肉を食べる習慣がなかったベトナム人ですが、フランス人がステーキなどで食べた上質の牛肉の切れ端を処理しなければならなくなりました。
そこで余った牛骨や牛の切れ端を煮込んだスープに、米粉で作った麺を入れるPhở bò(牛だしフォー)が誕生しました。
その後時代は変わりフォーは首都のハノイ、そして南部の経済都市ホーチミンなど全国へ伝わっていきます。
フォーの種類もPhở gà(鶏だしフォー)や Phở xào (フォー炒め)、Phở sốt vang(赤ワイン煮込みのフォー)などアレンジしたものが加わりました。
日本ではフォーというとPhở gà(鶏だしフォー)ですが、ハノイ大学の教授に言わせると本来のフォーはPhở bò(牛だしフォー)だけで、Phở bò(牛だしフォー)以外は全て「モダン・フォー」になるようです。
【まとめ】ハノイで有名なフォーはやっぱりおいしい!
フォーは食べ飽きたという人も、一度は今回紹介したような本場ハノイ(ナムディンのベトナム人から言わせると本場はナムディンですが)で有名なフォーを食べてください。
今回紹介した3店のフォー屋さんは全て本物のフォーを出している店です。ベトナムでフォーを食べたいと思うなら一度はこのような本物のフォーを食べてみることをお勧めします。
ベトナムのホテルの多くは朝食で綺麗で美味しいフォーが出ますが、やはり何十年も続いている老舗の店で出してくれる本物のフォーの味は格別です。
ベトナム料理にはフォーの他にも美味しい料理はたくさんありますので、どうぞ旅行に来たら色々試してみてくださいね。
日本料理が食べたくなったら、AEONに行ってみましょう。ハノイにはハドンとロンビエンの2箇所にありますのでたまには日本の雰囲気を味わってみるのもいいかもしれません。
フォーをお土産で買おう
ベトナムにはインスタントのフォーがたくさん売っていて、ベトナム土産に喜ばれます。
ベトナムにしばらくいるとわざわざインスタントフォーを買ってまでフォーを食べたいとは思わないんですが、その中でも次の2つは美味しいと思いましたので紹介します。
フォー以外のお土産でおすすめなのは、チョコレートとベトナムコーヒー、ジャコウネココーヒー(コピルアク)、そして成人の方はビールです。詳しくは次の記事を参考にしてください。
チンスーのフォーボー(牛肉フォー)
一つはチリソースで有名のChinh Su(チンスー)が出しているフォーボーです。フォー以外にもベトナムの麺料理を出しているですが、今までのベトナムのインスタント麺の転換点になる麺だと思っています。
インスタント麺で衝撃を与えた日清の具多(グータ)を思わせる、具材の多さと自慢のスープはフォー好きの人を感激させる味です。
こちらは新商品で、フォーにこだわりを持っているベトナム人にプレゼントしたら感動していました。
一袋の値段は25,000ドン(約125円)と、普通のインスタントフォーの3倍以上しますが、納得する味です。フォーボー(牛肉フォー)のみの販売となっています。
クンディンのフォーボー(牛肉フォー)とフォーガー(鶏肉フォー)
もうひとつ紹介するのはCuong Dinh(クンディン) シリーズのフォーです。
こちらは一袋7,500ドン(約35円)と一般的な価格なので、ばら撒き土産にぴったりです。
一般価格のインスタントフォーの中には食べられないレベルのフォーも売っていますが、このクンディンのフォーはスープもしっかりとしていて値段以上に美味しく食べられます。
フォーボー(牛肉フォー)とフォーガー(鶏肉フォー)がありますので、セットで買ってもいいかもしれませんね。
日本の通販でもフォーは買える
もし日本でフォーが食べたくなったらこちらのフォーがおすすめです。
フォーボー(牛肉フォー)とフォーガー(鶏肉フォー)のセットとなっていて、日本で手軽に作れる中ではかなり本格的なフォーです。ライム(なければレモン)を入れるのを忘れないでくださいね。
日本でフォーが食べられるおすすめのお店
日本でもフォー・ティンなどフォーを食べられる店が増えてきましたが、ベトナムでフォーを食べたら味わっていただきたいのが、AKOMEYA食堂のフォーです。
こちらは鶏だしフォーで、モーニングの時間帯のみになりますが、ベトナムの食材を輸入しているのではなく日本の食材のみを使った日本でしか食べられない味のフォーです。
下記の記事で住所など詳しい情報が書かれていますので、ぜひ食べ比してどちらのフォーが美味しいかご意見を聞かせてください。
→ AKOMEYA食堂 東急プラザ渋谷国産米麺と鶏だしフォーについて
このPhở Gia Truyềnはイタリアのサンペレグレノ社が公式スポーンサーを務めている「アジアのベストレストラン50」の2021年度から始まった新カテゴリー「エッセンス・オブ・アジア」にノミネートされた4つのレストランのうちの1つです。