自動化ゲートに注意!海外在住の日本人が国内で免税にする条件と手続き

スポンサーリンク




「海外に在住しているけどどこまでが免税範囲になるのだろう?」

「海外在住とまではいかないけどどれくらい滞在していると免税できるの?」

2019年10月に10%と増税された消費税。海外に在住している人は、日本に一時帰国した時日本でたくさん買い物をする思いますので、それに10%の消費税を払わなければならないのは結構きついですよね。

でもどうぞ安心してください。日本人でも免税手続きをすればあなたはもう消費税を払う必要がありません。条件によっては「これから海外に在住する」という人も免税対象になりますので、海外にある程度行かれる方は免税の可能性を諦めないでください。

今回は海外に長期滞在している人、あるいはしようとしている人に向けてお得な免税方法について、自動化ゲートや免税手続きの変更など最新の情報をお伝えします。

免税するために絶対忘れてはいけない条件や手続きも説明していますので、どうぞ最後までお読みくださいね。

日本人でも国内で免税になる理由

「えっ?免税って外国人のためのものじゃないの?」「日本人なのに国内の消費税を払わないなんて、なんか脱税しているみたい…」

免税ができるという話をすると、必ず一人はこのような反応をする人がいるものです。筆者も最初はそうでした。

でも日本人でも海外に長期滞在している人が免税できるのには理由があります。なぜなら国税庁は、消費税の仕組みについて次のように説明しているからです。(下線は筆者による)

国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供に課税されます

引用元:国税庁「消費税の仕組み」より
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_3.htm

つまり日本国内において消費するものに課税するのが消費税の目的なので、海外で消費するものに対して税金を払う必要はない、というのが免税の考えです。

この考えに国籍は含まれません。海外在住者が海外で使用する目的で購入したものに対して消費税を払う義務がないのです。

日本人で免税対象者となる条件

かといって海外に行く人が全て免税対象者になるわけではありません。観光庁は日本国籍のある人の免税対象者について次のような条件を挙げています。

❶外国にある事務所(日本法人の海外支店等、現地法人、駐在員事務所及び国際機関を含む)に勤務する目的で出国し外国に滞在する者
❷2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者
❸[1]及び[2]に掲げる者のほか、日本出国後、外国に2年以上滞在するに至った者
❹[1]から[3]までに掲げる者で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6か月未満の者

引用元:観光庁「免税店とは」より
http://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/about.html

まず❶にあるように海外の会社で仕事をしている人は期間は関係なく全て免税対象者になることがわかります。

そして注目したいのは❷です。ここでは「2年以上外国に滞在する目的で出国」する人が対象になっています。

つまり実際に2年経っていなくても、あるいは仮に最終的には1ヶ月で日本に帰ることになったとしても「よし2年滞在しよう!」と目的を持って海外に出国した人全てが免税対象者になるということです。

ただし免税は一度海外に出て帰国した人が対象となりますので、まだ海外に行っていない人は対象とはなりませんので注意が必要です。

免税対象となる商品

免税対象者になったからといって、日本にある全ての商品が免税対象になるわけではありません。

  1. 免税店として登録されている店で
  2. 日本国外で使うものを
  3. 一回の買い物で税抜きで合計5,000円以上購入し、
  4. パスポートにある帰国スタンプを確認

して初めて免税にすることができます。それで一部のオンライン免税店を除き、ネットショッピングは対象にはならない場合がほとんどです。

免税にするために絶対忘れてはならない3つのタイミング

ここまでで海外で使用するものに対しては免税の対象者や商品について解説しました。

免税にするためにはさらに

  1. 海外帰国時
  2. 日本滞在時
  3. 日本出国時

それぞれ絶対に忘れてはいけないことがあります。それぞれのタイミングを詳しく解説しますので、日本に帰国前から確認しておいてください。

(1)【帰国時】パスポートに帰国スタンプを押してもらう

海外から日本に帰国する時入国ゲートを通りますが、平成21年9月から下記のような自動化ゲートになっています。

自動化ゲート(法務省公式ホームページより)

これは人を通さなくてもいいのでとても便利なのですが、免税の時に必要な証明となる帰国スタンプを押してもらえませんので注意が必要です。

それでこの自動化ゲートを通った後、必ず係りの人に「帰国スタンプが欲しい」という旨を伝えて帰国スタンプをもらうことを忘れないようにしてください。

帰国スタンプは無料ですぐに教えてもらえます。従って帰国スタンプををもらうことのデメリットは全くありませんので、必要かどうか迷っているならとりあえず押してもらうことをお勧めします。

(2)【日本滞在時】できるだけいつもパスポートを持ち歩く

免税店ではパスポートがなければどんなに説得しても免税にはなりませんので、日本に出かけるときはいつもパスポートを持つようにしてください。

買い物をするつもりがなくても、免税店を見かけてついつい買い物をたくさんしてしまうことになることが意外とあるものです。

実際に免税店で購入する流れと手続き

5,000円以上の買い物をすることになったら、次のステップで免税手続きをしてください。

  1. 買いたい商品を免税カウンターに持って行く。なければスタッフの人に「免税したい」という旨を伝える
  2. 証明としてパスポートの帰国スタンプとビザをみせる
  3. お店の人に渡される書類にサインをする
  4. お店の人が免税書類をパスポートにホッチキスで留めてくれたら完了

これだけで税抜き金額で商品を買うことができます。クレジットカードで購入した場合消費税分だけ現金で返してくれることもあります。ただごくたまに手数料を取られたりすることはあります。

免税店は「免税店」とはっきり書かれているところもあれば、はっきりと表示されていないお店もありますので、5,000円以上の商品を買ったなら念の為免税ができるかどうか店員に聞いてみることをお勧めします。

免税店で買ったものを日本で使ってもいい?

日本国外で使用するものが免税されますので、基本的には日本滞在期間中に購入したものを開封して使用することはできません。(ただし衣服類は利用してもいいことになっています。)

今までは税関で確認されることはとは滅多にありませんでしたが、2019年中頃から免税制度が少し厳しくなっています。

筆者も2019年1月までは免税制度を活用したとき、パスポートと帰国スタンプだけを確認する程度の作業でした。

しかし2020年1月からは、さらにビザの確認があり、専用のテープで止められて、開封したら消費税を支払わなければならないという旨が忠告されるようになりました。

ドンキ・ホーテではこのような誓約書にチェックすることが求められました。

買ったものを全て確認されることはありませんでしたが、それでも出国前に税関に止められることがないよう、基本的には免税で買ったものを袋で開けて日本国内で使用しないよう注意してください。

(3)【出国時】税関に書類を提出する(簡単!)

海外に出国する時に空港の出国審査前にある税関カウンターで手続きをします。手続きと言ってもパスポートを渡すだけで、税関の人がパスポートに留めてある書類をとって手続きは終了です。

一応税関は購入した物品が本当にあるかどうかを確かめることになっていますが、筆者が今までに確かめられた経験は一度もありません。

ただしいつどうなるかはわかりませんので、トラブルを避けるために出国時には免税店で購入したものをすぐに税関に見せられるようにしておいてください。

税関に行くのを忘れてしまった場合

出国前バタバタしていると、税関に行く時間がない場合もあります。筆者も一度税関にパスポートに免税のレシートをつけたまま出国してしまったことがあります。

幸い電話で確認しましたら、特に問題ないということでしたので指示通りパスポートについているレシートを捨てました。

しかし税関に申告しないで出国する人が増えるとこの点もさらに厳しくなっていくはずですので、できるだけ忘れないように申告するようにしましょう。

免税店で買えるもの

免税店で買えるものは、次のように観光庁ではっきりと定められています。

一般物品
・1人の非居住者に対して同じ店舗における1日の販売合計額が5千円以上。
・販売合計額が100万円を超える場合には、旅券等の写しを経営する事業者の納税地又は販売場の所在地に保存すること。

引用元:観光庁「免税店とは」より
http://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/about.html

消耗品
・1人の非居住者に対して同じ店舗における1日の販売合計額が5千円以上、50万円までの範囲内であること。
・非居住者は、消耗品を購入した日から30 日以内に輸出する旨を誓約すること。
・消費されないように指定された方法による包装がされていること。

引用元:観光庁「免税店とは」より
http://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/about.html

このようにほとんどの商品が免税対象となっています。ただこれらの商品以外のものを買った可能性があるということで空港の税関で止めらるということはほとんどありません。

むしろ免税ができない商品については免税店で売ってくれません。なので免税で購入できたものに関しては、ほぼ海外に持っていくことができます。

とりわけ免税にするとお得な店

免税ができるものは基本的にしておいたほうがいいですが、とりわけその中でも免税をしておきたい店(つまり行くときには必ずパスポートを持っていくべき店)は次の通りです。

  • ドンキホーテ各店舗
  • アップルストア
  • 都市部のデパート(三越、ロッテ、東急プラザ等)
  • ビックカメラ(コジマ電気)
  • ドラックストア(マツモトキヨシ等)
  • その他外国人がよく行きそうな店

これらの店はほとんどどこでも免税ができますし、買い物をすると5,000円はすぐに超すのでパスポートを持っていかないと後で後悔することになります。

またアリオやイオンモールのような大型デパートは、店舗によって免税できる店とそうでない店がありますので5,000円以上の買い物をする予定があるならその都度確認するようにしてください。

この他にももし免税できる店の特徴がありましたら、この記事のコメント欄に書いて情報を共有してくださると嬉しく思います。

ちなみに筆者は日本帰国時にアップルストアでMacBook Airを購入しました。当時134,800円+税でしたので、消費税の10,784円が免税となりました。

MacBook Air税込134,800円は中古でも売っていない価格でしたので、かなりの節約になりました。このようにアップル製品は他の店で買ってもほぼ定価ですので、とりわけ免税で買うことをおすすめします。

ただこの後MacBook Airの新しいモデルが発表され、その価格は119,800円+税と大幅値下げとなってしまいました…。

まとめ

最後に免税をするための条件をまとめてみましょう。

免税にするための条件
  • 海外の会社で働いている、あるいは2年以上滞在する予定のある人が、日本に半年以内の期間に滞在している。
  • パスポートに帰国スタンプが押してある
  • 1回の買い物の合計が税抜きで5,000円以上である
  • 日本国外で使用する予定である

「2年以上滞在の予定がある人」「日本国外で使用する予定があるもの」など免税の基準は意外とゆるいので、免税で購入できたものはほぼ税関を通るという認識でも大丈夫です。

ただしゆるいからといって、免税で購入したものを家族や友達にあげたり、数日の旅行で帰国スタンプをもらって免税するというのはやめてください。

一部の人がこのようにズルをすると免税の基準がだんだん厳しくなり、本当に必要な人が免税するのが難しくなってしまいます。

いずれにしても免税はとても簡単でかなりの節約になりますので、海外に在住している人は一時帰国で買い物をするときは是非免税してみてくださいね。

スポンサーリンク