海外で病院に行くと信じられないほどの医療費がかかりますが、それがクレジットカードについている海外旅行保険でカバーできるのをご存知でしょうか?
ネットを調べると「クレジットカードの海外保険では不十分」と言っている人はたくさんいますが、これは正しい理解に欠けています。
確かに多くの場合クレジットカードだけでは不十分ですが、やり方次第でいくらでもカバーする方法があるんです。
今回は海外旅行保険を実際に使ったことがない人にもわかるように、次の点をわかりやすく解説します。
- 海外旅行保険の仕組み
- 海外旅行保険の補償額を上げる裏ワザ
- 海外旅行保険に強いクレジットカード
この記事は海外で少しでも無駄なお金を払わないように、かつ安全に海外生活を楽しめるようにするためにまとめてあります。どうぞ最後までお読みください。
海外保険は必要なのは予想外のことが起こるから
保険とは予想外のことに備えるためのものですが、海外ではその予想外のことが起こりやすいものです。そしてその時にかかる医療費も予想外の値段になることが少なくありません。
例えば日本で盲腸になった場合の自己負担額は、20万〜25万円ですが、海外で盲腸になった場合、治療費にいくらかかるでしょうか。平均的には次のような値段がかかってしまいます。
国 | 治療にかかる平均 |
アメリカ、スイス、ハワイ | 150万〜300万 |
スイス以外の欧州諸国 | 100万〜200万 |
アジア、その他の国 | 50万〜150万 |
このようにたかだか盲腸で100万円以上かかってしまうというのは海外では当たり前のことで、アメリカや欧州諸国になると200万円を超えることさえあります。盲腸は海外旅行を終えるまで待ってくれませんので、いきなり借金をすることになってしまうかもしれません。
また海外ではお腹を壊すこともありますが、このようなちょっとした治療も日本人医師や通訳がつくと治療費が簡単に10万円を超えてしまいます。
こうしたことがありますので、海外に行く場合は絶対に海外保険が必要なんです。海外に行く場合は海外旅行の傷害疾病治療を最低でもこれくらいかけておきたいところです。
国 | 傷害疾病治療の限度額 |
アメリカ、スイス | 300万円以上 |
スイス以外の欧州諸国 | 200万円以上 |
アジア、その他の国 | 100万円以上 |
繰り返しますがこの額は最低額であり、場合によってはこれより医療費がかかることもあるでしょう。ただし統計的には海外保険で300万円以上支払われることはごくわずかです。これらの事実を考慮した上で、保険額を決めてください。
海外旅行保険の種類
海外旅行保険と一言でいってもその内容は様々です。クレジットカードには大抵以下のような内容が含まれます。
保険の種類 | 内容 |
傷害死亡後遺症 | 死亡、もしくは後遺症が残った時に支払われる |
傷害疾病治療 | 病気や怪我をした時に支払われる |
救援費用 | 遭難時の捜索費、被保険者の移送費、 家族が駆けつけた時の交通費やホテル代が支払われる |
賠償責任 | 賠償する責任が生じた時に支払われる |
携行品 | 被保険者の持ち物が紛失・盗難にあった時に賠償される。 大抵の場合自己負担金が発生する。 |
この中で最も重要なのが「傷害疾病治療」※と「携行品保険」で、実際に保険費用が請求されているのは、この2つだけで全体の8割以上になります。
※傷害疾病治療は傷害治療と疾病治療のことですが、この記事では1つにまとめています。
海外旅行保険でクレジットカードを決めるときは「傷害治療保険」の額で判断する
クレジットカードを紹介する記事の多くは、公式のホームページを含めて海外旅行保険の最高額が書かれています。「海外保険の最高額が1億円」と書かれていると、なんだかすごい額が補償されているような気がしますよね。
最高額が「1億円」の保険は「5000万円」の保険の倍であると思うかもしれませんがそれは「傷害死亡後遺症」の額です。そしてこの保険が請求する機会は宝くじで当てる確率よりも低いと言われています。
連行品も傷害疾病治療について請求される回数が多い保険の一つですが、なくなるのはあくまで自分の持ち物です。一方傷害治療は実際に最も多く保険が使われていますし、もし保険がなければ借金してでも支払わなければなりませんので、できるだけ補償額が高い方がいいといえます。
発展諸国に行く場合は救援費用も大事
発展途上国の場合医療的にも発展していない場合が少なくないので、自国では治療することができず近隣の医療が発達した国などにヘリで緊急発送される場合があります。
この時の費用は費用は100万円を超えることがありますが、関係する保険は「救援費用」です。発展途上国は治療費自体は欧米諸国と比べて安いですが、このような予想外の費用がかかることがありますので、注意してください。
クレジットカードの海外保険はこんなにすごい!
このように海外では絶対に保険が必要ですが、クレジットカードがあれば以下の理由がありますので保険代を賢く節約できます。
- 傷害疾病治療の内容が充実している
- 年会費無料のクレジットカードでも保険が充実している
- 保険内容が心配な場合は上乗せができる
それぞれの点について詳しく解説していきますね。
傷害疾病治療の保険内容が充実している
携行品は自己負担金として幾らかのお金を支払わなければならないことになっていますが、傷害疾病治療は費用にかかるお金は全てが保険で賄われます。
治療にかかる薬代や病院に行く時のタクシー代なども全て保険で支払われますので、あなたは1円もお金を支払う必要はありません。かかったお金は後まとめて保険会社に請求することができます。
キャッシュレス診断に対応している場合も
さらにクレジットカードの多くはキャッシュレス診断に対応しています。キャッシュレス診断とはカード会社と病院が提携していて、文字通り金銭のやりとりなく治療をすることができます。
治療費が数十万円かかる場合、キャッシュレス診断はかなり助かります。もしあなたのカードがキャッシュレス診断に対応しているなら病院に行く前に、カード会社に連絡すれば近場で提携している場所を紹介してくれます。
年会費が無料のクレジットカードにも海外保険がついている
年会費無料のクレジットカードにも、海外旅行保険がついているものがたくさんあり、その補償額も決して低くありません。
基本的には年会費が高ければ保険内容も充実していますが、 年会費をかけたくないけど、充実した補償が欲しいなら複数枚のクレジットカードを持つという手もあります。
海外保険は上乗せが可能
クレジットカードを複数枚もてば、「傷害死亡後遺症」以外の全ての保険を上乗せすることができます。これはクレジットカード同士の保険でもできますし、クレジットカードではない、有料の海外保険でも上乗せすることができます。
保険内容 | カード1 | カード2 | 有料の保険 | 合計 |
傷害死亡後遺症 | 5000万円 | 3000万円 | 1億※ | 1億※ |
傷害疾病治療 | 300万円 | 100万円 | 1000万円 | 1400万円 |
救援費用 | 200万円 | 100万円 | 300万円 | 600万円 |
賠償責任 | 3000万円 | 1000万円 | 3000万円 | 7000万円 |
携行品 | 30万円 | 10万円 | 50万円 | 90万円 |
※傷害死亡後遺症は持っている保険の最高額になります。
このように保健額の上乗せ保険額が気になるなら、その分クレジットカードを増やすこともできますし、有料の保険を最少額に設定して足りない分をクレジットカードの保険で補うこともできます。
海外旅行保険におすすめのクレジットカード
最後に海外旅行保険が充実しているクレジットカードを紹介します。あなたの持っているカードにもし海外保険がついていないなら、海外に行く前に是非入手してください。
年会費が無料で自動付帯のカード
海外旅行保険は「公共交通乗用具」を利用しないと保険が適用されない「利用付帯」と、海外に行けば自動的に保険が適用される「自動付帯」があります。
自動付帯ならカードの利用を何も考えなくていいのでとても便利ですが、年会費無料のカードの中には利用付帯のものもあるので注意が必要です。
年会費が無料で自動付帯であるお勧めのカードは次の通りです。
カード名 | 年会費 | 傷害疾病治療 | 保険のタイプ |
レックスカード | 無料 | 200万円 | 自動付帯 |
エポスカード | 無料 | 傷害200万円疾病270万円 | 自動付帯 |
セゾンブルーAMEX | 25歳まで無料 | 300万円 | 自動付帯 |
このようにクレジットカードは、年会費が無料なものでも保険内容がかなり充実しているものがあります。
年会費は無料で利用付帯のカード
海外旅行保険がついているクレジットカードの中で、利用付帯の方が少ないですが、もしそれを知らないともしもの時に何も意味がありませんので注意が必要です。
カード名 | 年会費 | 傷害疾病治療 | 保険のタイプ |
楽天カード | 無料 | 200万円 | 利用付帯 |
リクルートカード | 無料 | 100万円 | 利用付帯 |
JCBカードW | 入会は39歳まで | 100万円 | 利用付帯 |
このように基本的に利用付帯のカードは補償額が少し安いのが特徴です。ただ利用付帯のクレジットカードは、長期滞在者の人に役立つ裏ワザがあります。その点について詳しく書かれた記事は近々公開します。
ゴールドカード以上ならカード1枚でも大丈夫
年会費を払うゴールドガード以上のクレジットカードは、大抵に傷害治療保険は300万円ありますので、基本的にはカード1枚で世界のどこに行っても大丈夫です。
カード名 | 年会費 | 傷害疾病治療 | 保険のタイプ |
楽天プレミアムカード | 10,800円(税込) | 300万円 | 自動付帯 |
セディナゴールドカード | 6,480円(税込) | 300万円 | 自動付帯 |
アメックスゴールドカード | 31,320円(税込) | 300万円 | 自動付帯 |
このように海外保険が充実しているのが、ゴールドカードの大きな特徴ですが、それよりもさらに海外での特典が多いのがプラチナカードです。その点について詳しくは、「節約している人こそおすすめしたい!有料クレジットカードの海外特典」で詳しく解説しています。
クレジットカードを選ぶ点で注意したいこと
最後にクレジットカードの海外保険の特徴の中で、注意しておきたいことを解説します。
家族保険があるか
年会費が無料のクレジットカードは、本人の分しか保険が適用されませんので、人数分のカードか、家族カードを入手しておきましょう。しかしゴールドカード以上のカードの多くは、「家族特約」がついています。
一般の有料保険にしかない補償もある
クレジットカードの海外保険には疾病死亡(海外で病気が原因で死亡した時の補償)、歯科治療(海外で歯医者に通った時の治療)などがありません。
この他クレジットカードの海外保険にはない補償が欲しいなら、一般の有料保険に上乗せすることをお勧めします。
クレジットカードの海外保険は90日まで
クレジットカードの海外保険はどんなに年会費が高いカードでも、90日までしか補償が続きません。この場合利用付帯のクレジットカードを複数枚持つことで解決することができます。この点について詳しく扱った記事は、近々公開します。
まとめ
海外ではトラブルがつきものですので、保険の加入は絶対に必要ですが、一般の有料の海外保険に入らなくても、クレジットカードがあれば無料で保険がついてきます。
ゴールドカード以上のクレジットカードがあれば、大抵の場合全世界どこでも医療費は保険で支払われますが、年会費無料のカードでも保険料が上乗せできますので、複数枚持てば安心です。
保険は少し複雑ですが、考えない人たくさんのお金を取る仕組みになっています。しかしあなたは今回の記事でお金をなるべくかけないで、かつ安全な海外保険の入り方がわかりました。
もし周りで海外保険に加入していない人、あるいは多額のお金をかけて海外保険に入っている人がいましたら、この記事の内容を伝えてあげてください。
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